こんな目に会うくらいなら好意を無視しておけば良かった。
初めは避けるような形にして別の席に並んでいたが、その時に隣にいた君が足早
に奧に退いたのを見て、胸が締め付けられるように痛んだ。僕の妄想かもしれないが
傷ついていると感じ、こちらは事情があって付き合えないが、せめて避けるのだけは止めようと考えた。
しかし、接しているうちにこちらも好意を本格的に持ち始めてしまい、結果的にこの
ような形になってしまった。なぜ、君に気を使ってしまったのだろう。自分の馬鹿さ
加減に反吐が出る。人の情というものを一切知らない小娘に情けなど掛ける必要はなかった。