要注意ね……そうだとしても、誰もおれ達の事情に触れられやしないさ。
触れたいなら社会のタブーを構成する問題群そのものであるこの燃えさかる壁を越えて来いって言って、そんな勇気のある奴なんかいやしない。
群れに属さなきゃ生きていけない人間は、皆そうさ。だから社会はこの状態なんだからな。
だからおれはきっと君だけを連れてこの国を出るんだろう。

愛しているよ、おやすみ。朝まで君を抱いていたい。