統合失調症(陽性症状)


「幻覚」
幻聴が主で、だれかが「死ね!」などと直接話しかけてくるものや、何人かの人たちが自分の悪口(うわさ話)を言っているのが聴こえるというものが多く、なかには、自分の考えが声となって聴こえてくると訴える人もいます。
そのほか、隣の人が体に電波をかけてくるといった体感幻覚(電波体験)もあります。

「思考の障害」
考えがまとまらず、話が支離滅裂になったり、単語の羅列だけになる(ことばのサラダ)、本人しかわからない言葉を作ったり、言葉に一般的には使われない意味を持たせる造語症あります。
また、突然考えが止まってしまうこともあります。
思考の内容の障害として、被害妄想や誇大妄想があります。とくに多いのが被害妄想で、「あの人が黒い服を着ているのは、母の死を知らせているのだ」といった妄想知覚、だれかに追われているという追跡妄想、毒をもられているという被毒妄想などがあります。
本人はそうした妄想を確信するようになります。
誇大妄想には、「自分は天皇の子であることがわかった」というような血統妄想、「ノーベル賞級の大発明をした」という発明妄想などもあります。

「自我意識の障害」
自分(自我)の自立性が保たれなくなると、自分の考えや行動が他人の意思に影響されていると感じるようになります。
「あの人に操られている」「他人の考えに支配されている」などと思い込むもので、これらを「させられ体験(作為体験)」といいます。テレパシーや電波によって命令されるように感じることもあり、この場合は幻聴に操られる状態です。