今後はどのように考えているのかと父上に聞かれたので
「お嬢さんのことは大切に思っている。お互いのことを
知るためにもう少し時間をかけたい。焦りは禁物だと思う」
と答えた
すると、母上が間髪入れずに「△☆※、あなたはどうなの!?」
と水を向けた
ワイと両親が話をしているあいだ中、ほとんど黙って食べ続けていた
彼女の答えは
「今はとても幸せなので、もうしばらくこのままで」という
先日二人で彼女の誕生日を祝ったときとそっくり同じものだった

堅苦しい話はそこまでとなり、残りの時間は打ち解けた雰囲気で
食事と会話を楽しめた
特に、彼女の地元はJリーグのいわゆるオリジナル10のチームの
ホームタウンであり、ワイの実家の所在地もオリ10のクラブが
ホームをかまえる土地柄なので
父上とはサッカーの懐かしい話題で盛り上がり
今後も話のタネには困らなそうだなという感触を得たりもした

唯一困ったのは、最後の最後で彼女の母上から
「一人娘で甘やかして育ててしまったかもしれないので
わがままを言ったら遠慮なく叱ってください」と言われたときで
思わず「ああ、(やっぱり!)」と同意しそうになった瞬間
彼女にテーブルの下で向こうずねを蹴っ飛ばされたことで
とっさに我に返って
「今のご時世、元気がありすぎるくらいでないと乗り切れませんから」
と妙なことを言うハメになった
それから、父上から「こちらも事情があるので今後一年程度は交際を
見守りたい。一年後をメドにまたお目にかかりましょう」と
締めくくりの言葉があり、その場はお開きとなった次第である