<のぞみ亀裂>事前に発熱検知 折り返し前、小田原と愛知で
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180307-00000005-mai-soci

新幹線「のぞみ」台車に亀裂が見つかった問題で、博多で折り返す前の下り運行の際、
神奈川、愛知両県の鉄橋上のセンサー2カ所が台車の温度上昇を検知していたことが、JR東海への取材で分かった。
問題の運行の前から異常が始まっていたことを示すデータが明らかになるのは初めて。
検知温度は基準値内で警報は出ず、JR東海は問題の発覚後、基準値を下げている。
JR東海によると、昨年12月11日午前8時10分発でのぞみが東京から博多に向かう際、
神奈川県小田原市の酒匂(さかわ)川と愛知県豊橋市の豊川の鉄橋に設置した赤外線センサー「台車温度検知装置」で、
モーター回転を車輪に伝える台車の「継ぎ手」の温度上昇を記録していた。
同社は具体的な温度を明らかにしていないが、前日10日に博多−東京間を1往復半走行した時に、温度の上昇はなかった。
のぞみは11日に博多に着いた後、東京に折り返す途中で、30件の異常が報告されながら点検しないまま運転を続け、名古屋駅で亀裂が見つかり重大インシデントとなった。
JR西日本は亀裂で台車枠がゆがみ、継ぎ手が変形したまま高速回転して異臭の原因となった熱や異音を発したとみている。
11日午前の小田原通過前に亀裂が広がり台車枠がゆがんでいた可能性が高い。
センサーで基準以上の温度を検知すれば、分析センターの担当者に警報が示される仕組みだが、小田原、豊橋の2カ所では基準内だった。
JR東海はこの問題を受け、同様の温度上昇があればすぐ把握できるよう、基準温度を低く変更した。
検知装置はJR東海が開発して2015年7月に導入。新大阪以西のJR西の運行区間にはなく、同社は設置の検討を始めた。
川崎重工業とJR西が2月28日にそれぞれ記者会見を開き、製造段階で鋼材を不正に削って強度不足になり、部品溶接のミスも加わり亀裂が生じたと認めている。