有楽町線延伸、18年度内に事業枠組み 都が表明

2018年6月29日 22:00

東京都は29日、東京メトロ有楽町線の「住吉―豊洲間」の延伸をめぐり、事業の枠組みを2018年度中を目指して決める考えを示した。
需要予測や収支計画、採算性などを分析し、国や東京メトロなどの事業者と協議。費用分担についても検討する。
延伸は東京臨海部の発展に寄与するとし、重要課題に位置付ける。

都の長谷川明副知事が同日、江東区の山崎孝明区長らを訪問して方針を説明した。同区議会が開いた特別委員会でも都の市場担当者が報告した。

江東区は豊洲市場を受け入れる際の条件の一つとして交通対策を都に提示。とりわけ有楽町線の延伸を強く要求していた。
都でもこうした事情に配慮した上で、延伸による経済効果が大きいとの判断も踏まえて年度内のとりまとめを決めた。
山崎区長は特別委後に記者団に「(都は)非常に踏み込んだ考えを提示してくれた。評価したい」と述べた。

特別委では、豊洲市場の集客施設「千客万来施設」についても都の説明があった。事業者が着工する20年まで、都が責任を持ってにぎわいを創出すると表明。イベントの開催や仮設施設の活用などを組み合わせる方針を示した。
都と江東区で市場を巡る諸課題を議論する協議体を設置することも明らかにした。