>>286
国鉄のころに、あとで300系になる、「スーパーひかり」の話が出てきたときは、JR東日本の952形・953形や、JR東海の955形みたいな、車体の断面が小さくて、シートの配置が、普通車は2列・2列と、グリーン車は1列・2列という設定で、時速260kmで運転できる12両編成、っていうものだったんだ。
主変換の制御の方式は、サイリスタ位相制御で発電ブレーキ(もしくは、PWMコンバータとインバータの装置で回生ブレーキ)が考えられてて、962形や200系で試験をしたとき、時速250kmから高い速度だと、直流の主電動機が、230kWより大きくできないから、発電ブレーキも安定しない、っていう状態だった。
それで、車体を小さくして、アルミも使って、軽くすれば、なんとかなるかも、みたいな雰囲気もあって、まずはサイリスタ位相制御を使って(もちろんすべて動力車)、挑戦することにしたんだけど、やっぱり難しいから、新幹線電車のためにPWMコンバータとインバータの制御を、開発することになったわけさ。国鉄が終わるまでに、基本的なものは、完成できていたってところ。
TGVみたいな、動力集中方式も、選択肢としてあったんだよなあ。

その話を引き継いだJR東海は、小さな車体でも、普通車を3列・2列と、グリーン車を2列・2列で、配置できるほどの幅にすることにして、交流の主電動機なら、出力を大きくできることを使って、動力車を減らせるか、考えたみたいだね。
300系のシステムを基本に作られた、JR東日本のE1系は、車輪径を小さくせずに、さらに出力を大きくすることで、動力車を半分にまで減らしたけど、300系のときは、車輪径も在来線とおなじ、小さな860mmに変えたし、3分の2が限界だったんだろうなあ。
ちょうど東海道新幹線の「こだま」が、12両編成から16両編成に、そろえられたこともあったし、山陽新幹線へ乗り入れることすら、考えられてなかったので、もう16両編成のことだけ、設計として対処できれば良かった、ってなわけ。