京王線刺傷事件で「窓からの脱出」が起きるまで。
ドアを“開けられなかった”京王電鉄の判断
https://news.yahoo.co.jp/articles/2e2815bf27b1dd54cd5cc4d28b1bbe4d87ebef03

車内で何が起きていたのか

事件が起きたのは10月31日午後7時56分ごろ。
電車が布田駅を通過中に乗客が非常通知装置を押した。

非常通知装置はその場で通話できるタイプだったが、押した乗客はその場を去った様子で、京王電鉄側の呼びかけに応答はなかった。
その時点では、車内で何が起きているのか把握できていなかったという。

京王電鉄では、非常通知装置が押された際、状況が把握できていない場合は、次の最寄り駅まで走行し緊急停車するという対応を取っている。

車両が国領駅に向かっていると、車掌のいる車両まで逃げてきた別の乗客が「刃物を持った人がいる」と報告。
車掌はそこで状況を把握したという。

車両はその後、国領駅に緊急停車。
その際に、停車位置が本来よりも1メートル手前にずれた。
位置を修正しようとしたが、乗客が非常用のドア開放装置「ドアコック」を使用したため、前進できない状態になったという。
勾配でさらに1メートル後退し、停車位置が本来よりも2メートルずれたという。

車両のドアとホームドアの位置が離れているため、車両のドアを開けると、一部の車両で乗客が線路に転落しけがをする恐れがある。
車内はパニック状態で、乗客が窓からホームに脱出し始めており、ホームドアに足をかけて脱出する人の姿もあった。

車掌ら京王電鉄側はこうした状況を踏まえて、車両のドアを“開けられない状態”であると判断したと説明。
窓から脱出する乗客の安全を確保する方向で対応したという。