☆唾液(口腔生理20-01)
<問>どうして緊張すると喉が渇くのだろうか?

<答>
その1:
緊張すると交感神経の活動が活発になる。
交感神経活動により分泌されたノルアドレナリンやアドレナリンなどは
脳にある口渇中枢に影響をあたえ、喉の渇きを感じるようになる。

その2:
交感神経活動の上昇により唾液の分泌量は減少し、
ネバネバとした粘稠性の成分の唾液が分泌され、喉の渇きを感じる様になる。
つまり、喉の渇きは二つの経路を介しておこる。

延髄の孤束核や青斑核にはノルアドレナリン含有細胞が存在し、口渇中枢に投射している。
交感神経活動の上昇により、ノルアドレナリンが神経終末より放出され、口渇中枢を興奮させる。
このような神経連絡による影響のほかに、口渇中枢は血液脳関門を欠いていることから、
副腎髄質から分泌されたノルアドレナリンやアドレナリン(カテコールアミン)が、
血行性に影響を及ぼすことが考えられる。

@口渇中枢の神経活動は大脳皮質や大脳辺縁系に送られ、口渇感を覚える
A視床下部や第三脳室周囲器官には口渇中枢が存在する。この部位は、血液脳関門を欠くので、
神経性の他に、血行性のカテコールアミンの影響を受ける
B延髄の孤束核や青斑核に細胞体をもつノルアドレナリン線維が
口渇中枢の神経細胞を興奮させる。

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