(ペリー来航=外圧にかこつけて幕府主流から権力奪取しようと、
徳川斉昭、松平春嶽らと水戸藩「天狗党」が仕掛けた幕閣主流派、井伊直弼の襲撃に始まる近代日本の)
バチルス=権力乱用から自分自身を破滅させてしまうような、
しかも敵と煽ったその敵に寝返り、敵から赦されてその罪を逃れ、
その現実を丸ごと(自分自身と自分の同胞に対して)偽装するような、体制と価値観を、
日本人個々人が妄信する。…と云う“現実”
=絶望から(思考=自己内省が)入っていればもう少し悪性の現実を改変できる希望も残った事だろう。
だが(自国を潰しながらその廃墟と犠牲を背負った自国民の怨嗟を怖れ、逃れようと、
敵に寝返って自分は生き残り、自国を潰したその罪からも免れんとする)(天皇に希望をつないだ)

《その幾多の希望がいかに空疎で、いかに俗悪で、
しかも希望に要したエネルギーがいかに厖大であったかに唖然とする》
そう三島由紀夫は語って死を選んだ。