「天皇制に同意できない人間は日本から出て行け」
この論はおかしい。
主権者たる国民は、憲法に規定された役職の廃止を願っても良いはずだ。
でなければ、憲法改正発議の条文があることに矛盾するし、
例えば9条に同意できない者も同じく日本に住む権利を失うことになる。


だが。


「出て行け」ではなく「移住を強く勧める」であれば、特に問題はあるまい。
何せ9条以上に改正の見込みがない1条が気に入らないのだから
本人のためを思って移住を勧めて、何を責められることがあろうか。


あともう一つ。


「天皇制は『民意に関係なく』廃止しろ」
この論を述べた者に関しては「出て行け」と言って良かろう。
天皇制に限らず、9条でも、他の条文でも同じ。
国民主権と民主主義を否定するのは、条文の内容の否定ではなく、近代憲法の属する価値観の全否定だ。
正当な手段以外での政治体制の変革を望む者は、どんな高邁な思想をもとうが、こう糾弾されて然るべきだ。

日本から出て行け、と。