-------------
例外状況であるためにはむしろ、原理的に無制限の権限が、すなわち現行全秩序の停止が必要なのである。
この状態が出現した場合、法は後退しながらも国家はいぜんとして存続するということが明白である。
例外状況といえどもなお、無秩序及び混乱とは別物なのであるから、法律学的意味においては、法秩序ではない
にしても、依然として秩序が存続するのでる。国家の存立は、ここにおいて、
法規の効力に対する明白優越性を実証するのでるある。
決定は如何なる規範的拘束からもまぬがれ、本来の意味で絶対化される。
例外事例において、国家は、いわゆる自己保存の権利によって法は停止する

政治神学 by カール シュミット
-------------

上記は政治思想及び法哲学の世界で有名なシュミット先生のお言葉です。

この言葉を読むと、占領統治の日本と重なって仕方がありません。
つまり、日本は戦争に負けたことでそれまで秩序と呼ばれるものが停止され、戦前の法は後退した。
しかし、それでも天皇制に基づく慣習的な秩序が存続し、法規効力前の存在として社会の中で優越していたわけです。
こうした法以前の慣習である天皇制を守る為に、日本はGHQの指導によって戦後憲法を受け入れた。
占領当時の日本政府は、天皇制を存在するために帝国憲法の規範的拘束を捨てたわけです。

GHQと日本政府は、国際法と戦前の法に従い、正当な手段で戦後憲法を作り上げたとする南出とその愉快な仲間達は、
むしろ、こうした欺瞞を欺くような論理なわけです。