アベノミクス失敗の考察
 なぜ、インフレ率2%計画は破綻したのか
 日銀総裁の語る理論は、そもそも間違いだった

日銀は2%のインフレ率を達成して目標を実現すると約束したが、
達成時期を6度延期したあげく、とうとう文言を削除した。
黒田氏は「自己実現する予言」というペテン的魔法を信じているのか。
人々と企業がインフレ率が2%に到達すると本当に思うように仕向ければ、
人や会社はそれが実現するかのように行動する、と考えてる。
つまり、人々は物価が上昇する前にもっとカネを使うようになる一方、
企業は人を増やして賃金をより多く払うようになるという暴論だ。
このロジックは事実に反している。英国内閣事務局が20年間蓄積してきたデータは、
人々はインフレを予想すると消費を控えることを示している。
なぜなら、人々は、賃金は物価ほど上昇せず、実質的な収入が下がることを
正しく予測するからである。だが、黒田氏は、理論の世界に住んでいるようだ。