このように天皇のことは信じてなくても<人間>というものを信じていない日本人はいない。
そしてこの<人間>という概念が通用するのは日本人のみである。それは天皇より上位に位置する
概念だ。天皇がこの<人間>らしさという振る舞いを欠落させた時には
日本人は容赦なく天皇を引き摺り下ろすことだろう。
しかしあの大戦の時はそれが逆転してしまった。人間性を阻害してまでも天皇を
国体を維持しようと努めた。
この人間という概念を外国人が知り得ようと思ったらそれこそ古典から
落語、浄瑠璃あらゆるものに精通しなければ到達できないものかもしれない。
天皇とはその〈人間性〉を守護するものに過ぎない