憲法に定められているじゃないか!

このように、「憲法の権威」を背景にして天皇制の正統性を主張するのは理屈としては正しいと思います。
では、「憲法の権威」とは何かと言いますと、それは「国民の合意の権威」に他なりません。

「国民の合意の上に存在する地位を、もっと尊重したらどうよ」というのは、一理ある話ではあります。

ところが、ここに「押しつけ憲法論」が入り込むと、状況は変わります。
もし日本国憲法が「日本人が自らの意思で受け入れた憲法」ではなく「GHQに押し付けられた憲法」であるならば、
憲法自体に国民の合意がないということになります。
第1条に「国民の総意に基づく地位」と書かれていますが、「GHQに押し付けられた」というのが正しいのであれば、
「国民の合意のないまま、勝手に総意のあることにさせられた」ということになります。

「 合 意 の な い 総 意 」 と い う お か し な 構 図 が 生 ま れ ま す 。

つまり、天皇は「国民の合意」を背景に持たない地位であるということになり、
「憲法の権威」を背景した天皇制の正統性を説く主張は成り立たなくなってしまうわけです。

「憲法の権威を背景にした地位」「現在の憲法はGHQによる押し付け」の両方を支持するような頓珍漢な矛盾を抱えた人が
このスレにいるかどうかは知りませんけどね。