「共産党支持者3%、廃止論者6〜8%」というのは統計学的結論です。
「共産党支持者は、多くても廃止論者の4〜5割程度」「廃止論者は共産党支持者の2倍を超える」
というのが統計学的に導かれる現実的な結論だということになります。

では、共産主義者のすべては共産党支持者なのでしょうか?

ストローマン先生の「需要と供給の受け皿論」が正しければ、そうなります。つまり、
「共産主義者は、多くても廃止論者の4〜5割程度」「廃止論者は共産主義者の2倍を超える」と結論づけて良いわけです。

と こ ろ が こ の 論 理 に は “ 現 実 ” と の 間 に 矛 盾 が あ り ま す 。

ストローマン先生の「需要と供給の受け皿論」が正しければ、廃止論者はすべて共産党を支持するはずなので、
アンケートをとれば共産党支持者と廃止論者は同じ割合になるはずなのですが、現実には2倍以上の開きがあります。
このように、理屈と現実との間に矛盾が生じるのは結局、「需要と供給の受け皿論」が誤っているからなのですね。

となると、廃止論者の中には共産党支持者ではない共産主義者もいる「かもしれない」ということになるわけですが、
本当にいるのか、いるならどれぐらいいるのか、それは「統計データがないから分からない」のです。

また、「共産党支持者は、多くても廃止論者の4〜5割程度」とありますが、
これは「共産党支持者のすべてが廃止論者である」という前提の上に成り立つ結論なのです。
では、その前提は実際に正しいと言えるのでしょうか?

上でも述べましたが、「政党支持」と「個別政策・個別理念に対する支持」は違います。
それは、アンケートで政党支持率・政権支持率・政策支持率が異なるという事実によって裏付けられます。
「共産党を支持するけど天皇制廃止には反対」という人がいれば、
「廃止論者中に占める共産党支持者の割合」は、「4〜5割」よりもさらに低くなるわけですが、
共産党支持者のうち廃止派の占める実際の割合はというと、これも「統計データがないから分からない」のです。