中井彰人 株式会社nakaja lab 代表取締役/流通アナリスト
地方都市から百貨店が消えると、なくなって街の賑わいが消えたとか、寂れたといった話に
なるが、そもそも、中心市街地自体に人が来なくなったから百貨店が成立しなくなったのである
原因は地方の移動手段がクルマになり、公共交通が成立しなくなったためであり、
目的地に直接行けるクルマだと、街のハブ、ターミナルが必要なくなるからなのだ。
ただ、高齢化が進む地方都市郊外では、分散して住む高齢者の足の確保は深刻で、
免許返上させれば済む話ではない。百貨店がなくなっても、実はそんなに困らないが、
高齢化したクルマ社会への対策について問題提起することの方が重要な気がする。
郷愁では地方の問題は解決しない。