>>382
賛成。『ドラゴン・ヴォランの部屋』は電子版と同時発売で嬉しいけど、ジュンク堂で書籍版買った。

ドラゴン・ヴォラン読み終わったので感想を。
「ロバート・アーダ卿の運命」は重厚で王道の怪奇もの。

まんまジェイン・エアな「ティローン州の〜」は、アイルランドの荒涼とした僻地に
建つ古城という舞台設定といい、ミステリアスな雰囲気といい大好物の一作。

ファンタジー風の微笑ましい姉妹の物語が薄気味悪くも悲しい結末へと向かっていく
「ウルトー・ド・レイシー」と、残酷な妖精譚「ローラ・シルバー・ベル」。

短編四作はどれもおもしろかったけど、肝心の「ドラゴン・ヴォランの部屋」は個人的にはイマイチ。
意外にも軽妙なタッチのサスペンスもので、無駄に長い。終盤は盛り上がるんだけど。

レ・ファニュの知られざる一面にスポットを当てたいという意図はわかるんだけれど、
せっかく50年ぶりの新作なんだから、「カーミラ」か「緑茶」は入れてほしかった。
あえて有名どころを外したチョイスで、「シングルB面コレクション」みたいになってる。