>>619
「とりあえず」に対する個人的お勧め:

菊地秀行「妖神グルメ」
イカモノ料理に全存在をかける主人公、彼に引き回される人類の勢力と、
人外の魔力を存分に振るう神々の勢力が、作品内で拮抗しながら
クライマックスへとなだれ込んでいくのを一気読みできる。

学研M文庫「クトゥルー怪異録」
神津恭介ものの探偵小説の一編ながら邪神と狂気が色濃く影を落とす「邪教の神」、
佐野史郎主演ドラマのノヴェライズ「蔭洲升を覆う影」と彼による短編「曇天の穴」、
日本におけるクトゥルフ神話のある意味極北と言える作品であり、
神々に対抗する組織の非情さや葛藤がハードボイルドに描かれる「銀の弾丸」、
邪神の降臨を迎え撃つ人類側の恐怖と緊迫感が存分に伝わってくる「出づるもの」、
湿気と血の臭いに満ちた日本版「蠢く密林」とも言える「地の底の哄笑」、
どれも一読して損はないはず。