それは数千の----いや数百万の----微細な宝石の集合体のようで、
そのひとつひとつがスペクトルのあらゆる光彩を示しつつ脈動し、
多彩な光輝のうねりを奔流のように投射----いや放射----しているのだった!

メンター「これがアリシアの与える装置、三惑星連合部隊における
黄金隕石に代わるものだ。これを身につける者は発せられる光によって
一般人から容易に識別されるだろう。“スペクトルマン”と名乗るがいい」

サムズ「すばらしい。しかし“スペクトルマン”という呼称には問題があります」

メンター「呼び方は単なる言葉であって本質ではない、別の名称を提案しよう。
この装置から発せられる光は個人ごとに異なり、決して同じものは生じない。
着用者の個性を鏡のように反映することから“ミラーマン”はどうだ?」

サムズ「いや、“ミラーマン”もちょっと」

メンター「この装置はあらゆる知的生命との精神感応を可能にする。
また、これ自体にも一種の疑似生命とでも言うべきものを賦与されている。
いずれも生命に関係するのだから“バイオマン”がふさわしいかも知れん」

サムズ「……」

メンター「遠い将来、銀河文明はこの装置を本当の意味で使いこなし、
超新星爆発のエネルギーにも匹敵する力を発揮することだろう。
その未来の輝きを予感させる意味で“フラッシュマン”というのは……」
サムズ「ワザとでしょ」
メンター「ちょっとな」