人類統合体の朝は早い。

朝は家庭用小型核融合炉に火を点す事から始まる。
家が暖まるまでほんの数分だ。

さあ、今日は食糧配給日だ。
統合体市民広場に向かい、統合体市民体操をしよう。
督戦官が居て、個人の運動のでき次第で配給量の増減がある。
ここは気分朗らかに体操をするのが市民の権利であり義務だ。

広場に向かう途中、喜びに満ちた市民たちの笑顔が印象的だ。
彼は遺伝的な障害があるが、機械で補っているので、問題はない。
それでも彼の食糧配給量は少なかったようだ。
帰宅途中の彼を励まそうと声を掛けると、これでも普段よりは良いと言う。

人類統合体市民の権利を放棄したのだから仕方の無い事だ。
普段はアイスキャンディーの販売員をしていると言う。
だが今は冬だ。売り上げは減少しているらしい。

他の統合体市民を見てみると、配給を多く貰った者は
闇市で売り払っているのか、服装は豪華だ。

だがこのような状況も帝国を打倒するまでの事だ。
第13連合艦隊のヤン司令がラクファカールを陥落させたとあった。
このような苦労も耐え高いがあったというものだ。