物語としての個性を「おしゃれ」というのなら、そうなんだろうね。

例えば「空の境界 第一章 俯瞰風景」は実に「おしゃれ」な第一話だった。
あの話は「空への飛行」=「真の世界への跳躍」を望んだ人間が、他の人間を犠牲にしていく話。
これは思春期のいわゆる「中二病」に通じる自らを偉大な存在、特別なものになれるはずだとの妄想の比喩であり、ネット上を跋扈する「国士様」のような「過度の情報の摂取によって自分自身の殻を度外視した、文字通り地に足のついてない思考」に染まったものの比喩と言える。

こういう態度は例えば「大東亜共栄圏」のような誇大妄想として、歴史上甚大な被害を与えた。