こちらは、翻訳の賞味期限説には異を唱えたい
良い翻訳には、良い原作とおなじく文学作品としての独自の価値がある

創元文庫でいえば、リラダン 『未來のイヴ』 の齋藤磯雄訳などは、いまどき
珍しい正字正仮名(旧字旧仮名)ではあるものの、この訳文には他の文体に
はない個性と魅力が備わっている

瀬田貞二訳 『指輪物語』、黒丸尚訳 『ニューロマンサー』 など翻訳史に残す
べき訳文というのも、かなりの数にのぼるはずなんだよね

これら作品は、他の訳では読みたくないという読者も多いと思う