平面宇宙航法には空識覚は必要ないのに、アーヴによる人類帝国では、アーヴ以外による星間船の操縦を制度的に禁じている。
身分による差別ならば、ジント(伯爵公子)は一般的な生物学的アーヴ以上の優先度で平面宇宙航法の資格を取得できるはずだが、それは彼の種族を理由に禁じられているので、身分による差別ではないのは明白だ。

まさに生物学的アーヴが平面宇宙航法を独占し、星々の間と交易を支配するという国是なのであり、
国是の遂行にあたっては、その根幹において、宿命遺伝子を共に科された同胞しか信用しないということだろう

差別という観点では、アーヴによる人類帝国という、人種差別並びに身分制の帝国と、人類統合体という、(遺伝子操作を受けた人々への)人種差別並びに(一級市民・二級市民の別がある)身分制の共和国の対決に過ぎない。