雑誌連載中断のあと、新幻魔大戦はハヤカワから単行本化されなかった。
ハヤカワと縁切りしたのは1974年のこと、「悪徳学園」「人狼地獄篇」「超革命的中学生集団」発刊で終了。森優退社とはあんまり関係なさそうな気がする。
で、1978年、ようやくのこと徳間書店から発刊された。1973年の中断から約5年弱、ずいぶん間が空いた。
例えば、別冊新潮の「平井和正年譜」には、死霊狩りを脱稿したけれど、担当編集者がルーズで「九ヶ月たっても本にならなかった」とある。だから「第二部執筆の意欲を」そがれたのだそうだ。
このような、新幻魔大戦単行本化遅延に言及する一文をみたことがない。彼は先述のような他者への文句や非難、批判は積極的だった作家だと思うのだが。

なぜこんなにも長いこと新幻魔大戦が発刊されなかったのか。
作者が失敗作だと考えていたから、単行本化されなかったのではないか。