当時の幻魔の正体。それは書かれなかった未来だ。私の想像でしかない。
デスハンターにおけるデスの正体が明らかにされたように、新幻魔大戦が順調に書き続けられたなら、その筆は幻魔の正体が何であるかというところに達したと推察する。
謎のものが物語の中核に位置する場合、その正体が物語中に明かされるのは珍しいことではない。

新幻魔大戦における幻魔とは、人間(知的生命)の成れの果てだ。
GLAに染まっていない当時の平井和正なら、そう結論づけたはずだ。
正確には、幻魔の起源は人間(知的生命)であり、人間の未来の姿こそが幻魔なのだと。

これでデスの正体が生命の源であることと対になるわけだ。(>>90

この解こそ、エリート→幻魔大戦→デスハンター→新幻魔大戦へと続いた、人間の闇を見つめつづけ、さまよいつづけたSF作家平井和正の答えであろう。
またそうすることで、平井和正は作家としての次のステージにいくことになっただろう。