「宇宙の戦士」をジュブナイル扱いするのは、太宰治の「斜陽」や石坂洋次郎の「青い山脈」を
ジュブナイルというくらい無理がある

もともと斜陽の場合、女学生の日記が参考にされており、太田静子「斜陽日記」はそれを本に
まとめ出版したもの

日本の場合、トールキンの「指輪物語」も児童書に分類されているけど、あれは瀬田貞二という
人が児童文学者で童話の「ですます調」で翻訳してしまったからそうなっているだけで、英語圏
では児童書ではなく、ふつうに大人が読む本という扱いになっている

実際、映画化された両者の作品、「スターシップ・トゥルーパーズ」も「ロード・オブ・ザ・リング」も
ジュブナイル扱いにはなっていないのを見ても分かると思う

翻訳については、「宇宙の戦士」のゴツゴツした原文の感触は矢野徹訳を支持したい
ただし、これから若い人たちが読むには、内田昌之訳の方が読みやすいだろうことも理解できる

一方、「指輪物語」については、自分は瀬田貞二訳は拒否
原文で読むつもりなんだけど、一気に読む時間がなかなか確保できないのが難点