地球からとある星に移住してきた両親と、五歳の少年。
少年は蝶を捕まえてきた。

「この星の蝶は人間が飼うとすぐ死んでしまうんだよ」
と言われるが少年は「いやだよ」と言い、飼うことにする。

蝶は美しい人間の少女のような顔をしていた。
鳥かごに入れ、いつまでも蝶を見ていた。

だが蝶には脳がなく、ただ本能で生きてるだけだった。

日が経つにつれ、蝶は弱っていった。
何も食べようとしなかった。

三日目の朝、蝶は死んでいた。
息子ははげしく泣いた。熱を出し、寝込んでしまった。

「ねえ、あなた。あの子、大丈夫かしら」
「男の子なら、一度は誰にだってあることだよ」