>>530
ハードなSFだと話を進めるので精いっぱいで、キャラがあんまり立ってないんだよな。
だから作中の人物が生き生きと動いてるシーンが想像できない。
とくに海外系の作品。
ラノベやなろう系は、漫画に近い作風だから魅力的なキャラが多い。
もともと縦軸(ストーリー)と横軸(キャラ)ってのは、たしかジャンプの編集者が
言い出した概念なんだよね。(うろ覚えだけど)

例えば、昔よくSFやホラーを描いてた高橋留美子先生なんか
キャラが勝手に動くとか言って、作者である自分ですらコントロールできないのが
「うる星やつら」のラムちゃんだったんだってさ。
このキャラが何を考えてるのか、いまだに分からないそうだけど、それが高橋先生の
生み出した最大の傑作キャラというのが面白い。

創作家がよく言ってるけど、「何かが自分に降りてきた」という感覚があるんだってね。
これが面白い物語を作る秘訣のような気がする。
山本は理想の世界を作りたい動機があるのか、全部コントロールしようとしてるよな。
その結果が「キャラが全員、作者の代弁者」になってしまう。
でもそれでは多様性がないわけだから、けっきょく狭い価値観に縛られた予定調和な
世界しか生み出せない欠点が出てきてしまう。
常に独善的なストーリーが展開して、それがリアリティの喪失とか、読者へ共感を
与えられない原因なんじゃないだろうか、と俺は思うんだが。