渡邉恒雄(読売新聞主筆)【佐藤優の頂上対決/我々はどう生き残るか】
企業・業界 週刊新潮 2020年1月2・9日号掲載
https://www.dailyshi...2020/01140555/?all=1

(略)

渡邉 僕は東大入学後、終戦直前に召集されて陸軍2等兵になった。軍事教練なんかで、何の理由もなく散々殴られたね。革のスリッパで顔をひっぱたくんだ。そうすると口の中が切れて、味覚がなくなるんだよ。
味噌汁を飲んでいても水としか思えない。僕を殴ったのは、上等兵でも伍長でも軍曹でもない。もちろん将校でもない。同じ2等兵だ。ただ6カ月前に入隊したから上官というだけの2等兵に殴られた。

佐藤 理不尽な体験をされた。

渡邉 1等兵が上官に、丸太が積んである上で正座させられているのを見たこともある。あれは痛そうだったな。僕は軍隊にそういう記憶しかない。日本の軍隊は負けて当たり前だよ。部下が尊敬できる上官がいないのだから。

(略)

ナベツネは東大生の俺がただの二等兵に殴られたことがまだ許せないらしい。

負けて当たり前とか。敗戦利得者だな。