小松左京の場合、われわれ(人間や科学や文明)はどこに向かっているのか?
という大きな問いかけを自分は感じるけどね

もちろん、それを一本道として俯瞰してもあまり意味がないから、様々な断片と
して切り出し、それらのイメージを小説にしていたのだろうと思う

あと日本の場合、1960〜70年代にかけて松本清張がずっと長者番付のトップを
独走していて、その影響力の大きさもあり、社会派ミステリーというものが読書界
でも大きな地位を占めていた時期がある

小松作品に社会派という呼称が冠されたのも、そう呼んだ方が売れるという出版
業界の期待もあったかも知れない