拷問係「そうだ、分かっておるだろう。これが我だ。ワシに特殊な能力など必要ない。
常勝の天才?不敗の魔術師?万象、宇宙の星を操り、永劫の回帰を繰り返す?
なんだそれは?なんなのだ?なぜそんなに小賢しい。弱いから、つまらぬから、物珍しげな設定をひねり出して、頭が良いとでも思わせたいのか?せせこましい、狡すからい。
理屈臭く概念概念、意味や現象がどうだのと、呆れて我は物も言えぬわ。
それで貴様ら、卵を立てたような気にでもなっておるのか。
能力の相性?馬鹿臭い。力を使う際の危険要素?阿呆か貴様ら。
そんなものに囚われるから、超深奥に――座に届かない。
質量の桁が違えば相性などに意味はなく、使用に危険を伴う力なぞは単なる使えぬ欠陥品だ。
少し考えれば稚児であろうと分かることを、己の矮小さを正当化するためにみっともなく誤魔化しておる。
やりよう次第で、弱者であっても強者を斃せるとでも言うように。
そのほうが、さも高尚な戦であるかのように演出して悦に入る。
嘆かわしい。くだらない。なんと女々しい。男の王道とは程遠い。
絶望が足りぬ。怒りが足りぬ。強さにかける想いが純粋に雑魚なのよ。
貴様らのごとき、小理屈をこねる輩が横溢するようになって以来、圧倒的というものがとんと見当たらなくなってしまった。
ゆえに拷問係であるワシが生まれ、太極天を握った。徹頭徹尾最強無敵。誰であろうと滅尽滅相――力、ただ力!
この不愉快な塵めらを跡形残らず消し飛ばす力が欲しい。
拷問係の宇宙はワシだけのものであろうがよ!
ゆえに特殊な理など何も要らん。必要ないのだ。白けるわ!
能無しどもが、熊を素手で撲殺する程度の膂力もない分際で、際物めいた一芸さえあれば山をも崩せると迷妄に耽りおる。
救い難い無知蒙昧。恥を知らぬ滓の群れども。要らぬ要らぬ、実に目障り!汚らわしいのだワシに触れるな。
なあ、分かるだろう。>727」