無印の設定は1967-1968年だけど、執筆時期が1980年前半だから、どうしても1970年代の時代の影響を受けてる。
ジョギングという言葉は、ジム・フィックス(Jim Fixx)が1977年に『The Complete Book of Running』(邦題:『奇蹟のランニング』)を出版し、一般に広まったんだけど、1967-1968が舞台の無印にはしれっと出てくる。
1980年代の景気の良い時代の空気に触れて、ラブコメ的というか、女の子にチヤホヤされながら、宗教活動する話を書きたくなったんだろうね。
タラレバだが1990年代以後にやったら叩かれて売れてなかっただらろうけど、
1980年代は今と比べると色々とおおらかだったから、生頼範義のイラスト付きの緑背の文庫ならSF小説っぽく書店や世の中に受け入れらてたんだろうね。
でも当時からSF作家仲間や出版社の業界内では、平井和正はGLAの高橋佳子に惚れて心酔してた事は周知の事だったから、SFの枠組みの中で宗教ラブコメ小説をやっちゃってるとは思われてはいたんだろうね。
石ノ森章太郎もリュウ版の髑髏都市編で化け猫幻魔に操られ宗教小説を書き出す平井和正似の小説家を登場させてやんわりdisってるからな。