文学にユニバーサルな価値観を求めるよりは、そのお話に現れる価値観を考えた方がいいと思う。
特にSFの場合は価値観を決める視点を極端なものにするためにフィクションの世界を活用してるものがあるからね。

つまり生命の価値って手放しで語るのではなく、何故人造生命体と本来の生命体かということだ。

ディックの場合は、生命そのものよりも、俺は排斥する側、される側の視点の違いのようにも思える。

http://www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784488696139

アルべマスは大戦後のアメリカを舞台に、右派が締め付けを厳しくし、紛争をもり立てる世界で、それに同調できない主人公が排斥感を感じつつ、自分だけの世界を構築していくお話。