ユリアンがロイエンタール反乱を好機としてラインハルトに交渉を求めるわけには行かないよ。

ラインハルトの二度目の宣戦布告を思い出せ。
「一時の利益のために国家の功労者を売る。
直後には、翻って余の代理人をも売る。
共和政体の矜持とその存在意義は何処へ行ったか?
もはや、現時点においての不正義とは、このような政体を認めることにこそある。」

ラインハルトは共和政体に「矜持を見せろ」と言っている。
なのに、共和政体であるイゼルローン政府が、
ラインハルトとロイエンタールという2人の専制者同士の潰し合いを利用して、
「回廊を通してやるから、○○をよこせ」なんて、
「一時の利益のために」矜持を売るような真似をしたら、
「現時点においての不正義とは、このような政体を認めることにこそある。」
って、もう一回言われることになる。

「専制者同士の潰し合いを利用して一時の利益を取るような、卑怯な真似をしない」
と言うことで矜持を見せたから、後の交渉も出来た。
結局のところ、ラインハルトは「矜持のない政体を認めることは不正義だ」
って宣言を撤回してないんだから。