レンズマンが実際完璧だとしても、銀河パトロール員の全員がそうではない。
レンズマン以外の銀河パトロール員も適切な訓練と選抜を経ているとはいえ、レンズマンには劣る。劣るのだ。
レンズマンならぬ彼らには、エッドアの上位メンバーの工作には抗すべくも無い場合もあるのだ。
レンズマンの目の届きにくい場所で銀河パトロール員による失敗、失態を積み重ねさせるのだ。
銀河パトロール員の規律は低下し、一般人からの不満は鬱積させよ。
不正と腐敗が気づかれずに増大し、惑星全部を覆うほどに進むならよし。
途中で明るみに出たとしても、レンズマンによる銀河パトロール員への捜査、判決、処罰という願ってもない場面が到来する。
レンズマンが公正で誠実であればあるほど、通常のパトロール員との差異が際立つ。
例えどれ程公正なものでも、パトロール員はその処遇を心から受け入れられるか?
家族達はその苛烈な処置を心から受け入れられるか?



それは、両者を分かつ最初の亀裂になるのだ。