作品が純粋に好きなら作者に作者である以上のことをあえて殊更に求めたりしない
作者が作品の品格を落としているという感触を知って、なおも作者に作者であること以上の何かを求めているのだとしたら、それは自分が好きになった作品という幻想に向けられたある種の独占欲の発露であり、またそんな作品を好きになった自分というものに無意識に抱く擬似的な優越感に、さながら水を差されたような気分になることへの嫌厭が要因の一つにあると思われる