>>481
> > 辞書好きだからあえて言うけど、人によってことばの理解にゆらぎがあるのは普通のこと。
> こんな馬鹿な事を考えながら辞書を読み比べたら、数を増やすほどに混乱するだけだ。

むしろ、ことばのゆらぎを認めているからこそ、辞書の語義の違いを楽しむことができるわけだし、
また、辞書をもっと批判的に読むことにもつながる。

三省堂国語辞典は、【敷居が高い】の語義に「近寄りにくい」と「気軽に体験できない」を加えたし、
新明解国語辞典では、【恋愛】の語義を(LGBTに配慮し)「特定の異性」から「特定の相手」へと
変更している。

ことほど左様に、世の中のことばは変化しているものだし、当然、辞書もそれにあわせて変わら
なければ時代に取り残されてしまうことになる。

敷居が高いなどは、辞書の方がやっと最近の日本語事情に追いついたくらいで、最近使われる
ことの多い「気軽に体験できない」は、辞書に収録されるのが遅すぎたくらいだと考えている。
(【破天荒】も、そろそろ「型破り」や「豪快で大胆」の語義を辞書に追加しても良いころだろう)

そもそも、そうした誤用が広く普及するのも、それが自分たち感覚に良くフィットして使い勝手が良
いから広く使われるようになるわけで、下手に言い換えをすると、逆にそれに代わるニュアンスや
語感が表現しにくくなるという副作用が生じることにもなる。

たとえば、JAXAのイプシロンロケットの開発コンセプトなど、「宇宙の敷居を下げる」というもので、
従来は誤用とされた言いかたを、さらに「下げる」へと応用したかたちで使っていたりする。

JAXA イプシロンロケット
  イプシロンロケットはこれまで「特別」だった宇宙の敷居を下げ、誰もが積極的に
  宇宙を使える時代の実現を目指した固体ロケットです。
https://www.rocket.jaxa.jp/rocket/epsilon/