ヒトゲノムの場合、人の体を構成するのに使われる遺伝子は全体の1.5%程度だと言われている。
ところが、それよりもずっと多いのがウイルス由来の遺伝子で、全体の40%を占めているという。
残りの50%強はどういう意味を持つ情報なのか、まだ不明らしい。

で、ヒトゲノムに入り込んだウイルス由来の遺伝子は、生物の進化に大きな影響を与えていると
見られていて、哺乳類が胎盤を使い子供を育てる仕組みや、脳の認知機能の発達にも関係して
いることが最近の研究で分かってきた。

ざっくり言うと、あらゆる生物は昔から何度もウイルスによるパンデミックを経験しており、そのさい
多くの種が同一ウイルスに感染することにより、滅亡の危機だけでなく、種の進化につながら遺伝
情報も獲得してきたということになる。

今回我々はコロナウイルスのパンデミックを通し、ウイルスの変異の早さに驚かされたわけだけど、
そのウイルスの変化の早さが、地球上にこれほど多種多様な生物を生みだす原動力になっている
可能性が高い。

そうなると、今回のコロナ騒動により、人類の一部には何らかのヒトゲノムの変化が生じた可能性も
あるわけで、近い将来、ニュータイプと呼ばれる若者たちが生まれてくることになるかも知れない。