蓮實重彦の『大江健三郎論』などは、大江作品に現れる数字を執拗に追うことで、意図的に作家の
主張を回避するという意地悪な批評であるため、蓮實さんは大江さんから嫌われているんだよね。

文芸批評の場合、小説家の意図をくみ取り読者に開示して見せるタイプと、小説家の意図を避けて
小説家当人が考えてもみなかったような切り口で既存の小説を別の作品として解体し直して見せる
という2つのタイプがある。