SFマガジン2022年2月号「SFのある文学誌」第80回における問題点
(この回は岡田史子について書かれてます)

【復帰を熱望した萩尾望都、しみじみする江口寿史、阻止した竹宮恵子】より一部抜粋(その1)
 その岡田が1995年に漫画家への再復帰を考え、行動したことがあった。マガジンハウスから創刊された雑誌<COMICアレ!>の新人公募に応募したのである。審査員だった江口寿史は応募作の中に岡田作品を見た時の感慨を次のように記している。

 四時。マガジンハウス。COMICアレ!漫画賞の選考会。70年代<COM>のスター漫画家だった岡田史子が新人にまじって原稿をおくってきていて目を疑った。選考のあと、同じ審査員の竹宮恵子さん、業田良家氏と会食。三人、なんだかしみじみとして帰る。(<COMIC CUE>Vol.2 1996)

 しばらく現場を離れていたとはいえ、江口が書いているように岡田は往時の注目作家で、漫画家や編集者のあいだでは伝説的な存在だった。それが編集者や漫画家のつてを頼らず、応募してくる……。
 岡田が再び漫画を描こうと思うに至ったのは、その二年ほど前に離婚したことが大きかった。生活のためには働かねばならないが、病弱で年齢的に考えても今さら就職するのも難しかった。自分にできることは漫画しかないと心機一転のチャレンジをしたのだが、その前後の出来事を岡田本人が次のように語っている。