>>972
黎明篇より。
【標準暦一〇月一〇日一六時。
 重力傾度法によって、艦隊を惑星リューゲンの衛星軌道上に配置していたウランフ提督は敵襲を察知した。周囲に配置していた二万個の偵察衛星のうち、二時方向の一〇〇個ほどが、無数の光点を映し出した後、映像送信を絶ったのである。
「来るぞ」
 ウランフは呟いた。末端神経にまで緊張の電流が走るのを自覚する。
「オペレーター、敵と接触するまで、時間はどのくらいか」
「六分ないし七分です」】

敵が自分からその作戦目的に近付いてくるなら、哨戒網に引っ掛かる道理。
この場合、同盟軍側に、もっと時間と余裕があるなら、もっと広範囲に偵察衛星や哨戒機をばら蒔いて、もっと早期に敵襲を察知出来たのかも知れないけど。