4月19日の午前7時30分(日本時間午前8時30分)。中国北京市郊外にある南海子公園前の道路には、複数台のロボットが立ち並ぶ異様な光景が広がっていた。

この日開催されたのは、ヒト型ロボットのハーフマラソン大会だ。人間のランナーと同時刻にスタートし、21.0975キロメートルの距離を走った。北京市などの主催者によると、ヒト型ロボットのハーフマラソン大会の開催は「世界初」となる。

ロボットは1分間隔でスタート
中国の企業や大学が開発した約20体のヒト型ロボットが出場した。ヒト型で2足歩行ができ、遠隔操作または自律走行ができることが出場の条件となる。制限時間は3時間30分に設定された。

スタートと同時にロボットが一斉に走り出したわけではない。安全のため、ロボットは1分ごとに間隔をあけてスタートし、サポート役となる人間が伴走した。ロボットが走るレーンは人間の一般用とは別に用意された。

他にもロボットのマラソン大会ならではのルールが存在した。給水所ではなく電池交換できる複数の拠点が用意されたほか、本体を交換するリレー走行も可能。本体を交換した場合は、記録に10分が上乗せされた。

実際にハーフマラソン大会がスタートするとロボットにトラブルが続出した。人間のように走るロボットはごくわずかで、「走る」というよりも「歩く」という表現が正しいロボットも多かった。

スタート直後に倒れてしまい人間のランナーが「加油(頑張れ)」と声援を送る場面もあった。中にはスタート直後に壊れてしまい、退場を余儀なくされるロボットもあった。「世界初」の試みならではのドタバタ劇と言えそうだ。
後略