筏にはおよそ五十人の乗客がしがみついていた。倍率を上げて、アマラは息を呑んだ。(略)以下の乗客は宇宙服など着ていなかった。それどころか、体を保護するものも、装飾するものも、いっさいの衣裳を身につけていない。 彼らは真空に裸体をさらしていた。さて、この宇宙筏乗りのなかにひとりだけ、茶色い修道服みたいなものをまとっているたくましい個体がいた。カラン号を率いる文化人類学者アマラ・コールが調べていくうちに、この個体はヤクーサ・ボンズというリーダーだと判明する。