新型補給機「HTV-X」ISSドッキング、“最強”H3との旅路動画も。愛称はどうなる?

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」1号機が、国際宇宙ステーション(ISS)に到着。油井亀美也宇宙飛行士が操作するロボットアームで把持され、ISSへのドッキングも完了した。JAXAでは、H3ロケット7号機による打ち上げからISS到着までをまとめたダイジェスト動画を公開している。

今回が初飛行となるHTV-Xは、2020年に運用終了した「HTV」(愛称:こうのとり)の後継機にあたる日本の宇宙機で、側面に翼のように大きく展開する太陽電池パドルを備えている点が、パッと見てすぐ分かる「こうのとり」との大きな違いだ。

HTV-Xを構成するサービスモジュールには、単独で飛べる拡張性を考慮した設計を採用したほか、電力系や推進系なども大きく進化。細かいところでは、こうのとり中央部の「非与圧部」がHTV-Xでは機体端の「曝露カーゴ搭載部」に置き換わり、船外実験装置を載せられるようになるなど、こうのとりの後継機でありながら見た目も中身もほぼ別物の宇宙機に仕上がっている。

ISSへの物資輸送の効率を強化しているのも注目ポイント。長期保存できない生鮮品などを打上げ前に射場で積み込めるように“レイトアクセス能力”を高め、打上げ24時間前まで短縮している(こうのとりは80時間前まで)。ISSには最長6カ月間係留され、荷下ろしと廃棄物の積み込みなどを行う。

HTV-Xは軌道上技術実証プラットフォームとして活用するといった新たな役割を担う点も、こうのとりとは大きく異なる。今回のミッションでは、約3カ月にわたり3つの実験を実施する予定だ。詳細は鳥嶋真也氏によるレポート記事を参照してほしい。

JAXAによれば、HTV-Xは10月26日の打ち上げ後、計画通りに飛行を継続。運用状況は以下の通り(時刻はすべて日本時間)。ISSへのISSドッキング完了後、JAXAはH3ロケット7号機によるHTV-Xの打ち上げからISS到着までをまとめたダイジェスト動画をYouTubeで公開した。
後略