大抵の映画だと”決着の付け方”、”終わらせ方”が、見ていて何となく想像出来るし、
ほとんどの場合その通りになる。(「あ、やっぱりね」って)

だけど「シン・ゴジラ」のゴジラは自衛隊や米軍の攻撃も効かないほど強すぎて、
「こんな奴、倒せるの? どういう終わらせ方になるの?」と想像が出来なかった。

正確に言えば、「ゴジラの血液を凝固させる方法なんだろ」とまでは考えられたが、
まさか宇宙大戦争の突撃マーチをBGMに、新幹線・在来線による無人列車爆弾とか、
超高層ビル群を崩壊させてゴジラを抑え込むとかの「使える物は使え」イケイケ総攻撃は、
自分の想像の範疇を超えていたし、見ていて気持ちが良かった。

ヤシオリ作戦終了の言葉の後、自分だけでなく劇場内の観客の緊張が「フ〜ッ」と解けるのが分かったし、
映画の宣伝文句の「ニッポン対ゴジラ」は正にその通りだったと納得した。

リアル過ぎても面白くないし、ウソだらけだとバカバカしいが、
この映画はリアルとウソが実にバランスよく混ざり合った娯楽作品に仕上がっている。