>>736

(建物内の細長い通路を歩く剣と加賀美。 右手は支柱の間から外の景色が見える)

神代 「そうか、 お前も 弟をワームに……。 (振り返る) 実は、俺も 姉さんを殺された」

 (視線を下げる加賀美。 言葉を選びながら、通路側面の外の景色に目をやる)

加賀美 「……俺達は 似たような境遇なんだな」

神代 「(つられて外を見る) そうかもしれない。 だが、安心しろ。
     (加賀美に歩み寄る) 全てのワームを倒し、お前の弟の仇も 俺が取ってやる」

 (予想通りの反応が返ってきて 沈黙する加賀美)

加賀美 「……おまえ、この間、サソリの形をしたワームが どうこうって。
     (剣の方に顔を向ける) そのワームに襲われた時の事を お前は覚えているのか?」

神代 「(厳しい表情で俯く) 忘れるはずがない。 俺は 姉さんを守ろうして戦った。 だが…」

(回想) (叫びながら、スコルピオワーム目掛けて走る剣。 だが、左腕の一撃で吹き飛ばされて倒れる)
     (必死に身を起こしながら、同じように地面に倒れている姉の美香を見る)

 神代 『うううっ…、 ね、 姉さん……』

     (血の気の失せた蒼白な表情で 地面に横たわっている美香。 姉は既に事切れている)