>>138

影山 「貴様ぁ!? (今にも蓮華に飛び掛かろうと身構える)」

蓮華 「(左手首を回転させて 鋼糸を引き絞る) 動くな。 お前の首にも巻いてある」

 (先程までの陽気さは影を潜め、 急に 冷酷な声音に変わる)

天道 「中々やるな。 (腰を上げる) よし、お前に決めた (テーブルの反対側に回り、料理の盛り付けを始める)」

蓮華 「えっ、やったぁ! (天道を振り返って、笑顔で飛び跳ねる)」

 (喜ぶ蓮華の動きに合わせて、首が落ちないように 一緒に飛び跳ねる影山)

影山 「(首の鋼糸を両手で掴んだまま) ちょっ、く、首、首っ…!?」

 (もう一度、影山の方を向き、指輪から伸びる鋼糸を外す。 絞められていた首が解放され、影山が人心地付く)

天道 「勝利者への褒美だ。 (テーブルに、海鮮料理の皿を運んで 置く) 美味いぞ」

蓮華 「(笑顔で振り返るが、料理を見て、急に無表情に変わる)……いえ、いいです」

 (蓮華の変化を 静かに見詰める天道。 テーブルに置かれた燭台の火が 何処からともなく吹く風で消える…)


       (カブト 第33話より)