>>455

(鈴虫の音が響く夕暮れ時の神代邸)
(屋敷に続く庭の煉瓦道に散乱している枯葉を、じいやが 一人で、竹箒を使って集めている)
(秋の憂愁を感じさせるその姿は 寂し気である)

爺や 「(箒で掃く手を止める) 坊ちゃまのいない私など、ただの抜け殻。 ハア…。 (深い溜息)
     私は 一体、どうすれば…… (切なげに天を仰いで、首を左右に振りながら嘆く) 」

神代 「じいや!」

 (背後から声を掛けられて、じいやが ハッとして振り返ると、ガーデンアーチをくぐって 剣が笑顔で歩いて来る)
 (何故か 黄色い帽子に 小学生のような服を着て、背中には ランドセルを背負っているが、足取りは軽い)

爺や 「ぼ、ぼっちゃま!? (驚いて、箒を持ったまま 急いで駆け寄る)」