村上茉愛 救済ならず“羽生枠”浮上
2019年06月10日 16時30分 東スポ

https://www.tokyo-sports.co.jp/sports/swimming/1426770/

体操界にも“羽生枠”は必要なのか。日本体操協会は8日の理事会で、東京五輪の女子団体出場枠がかかる10月の世界選手権(ドイツ)の代表選考について大激論を交わした。

焦点は昨年の世界選手権女子個人総合銀メダルの村上茉愛(22=日体大クラブ)の処遇だ。
5月のNHK杯を棄権し世界選手権出場の規定(NHK杯12位以内)により代表入りが消えたが、強化本部内から“村上待望論”が浮上し、田中光女子強化本部長(46)は「東京五輪の団体枠を取るために必要」と特例措置を訴えた。
しかし、パワハラ問題では渦中にいた塚原光男副会長(71)の「選考方法で後づけは絶対にダメ。スポーツはルールが基本」との正論が決め手となり、救済措置は否決された。

 約1時間半の激論の末に一件落着した一方で、理事会後に新体操の山崎浩子強化本部長(59)は「選考方法をつくる段階で『推薦選手』という一文を入れる方法もあるのでは?」と持論を展開。
実際、新体操は東京五輪の選考基準に「推薦」の枠を設ける意向といい、山崎氏は「ルールを変えるのは問題なので、最初からこういうケースを想定してつくればいい」と主張する。

 フィギュアスケートでは実績ある選手がケガなどのやむを得ない状況が生じた場合の特別措置が規則に明記されており、五輪2連覇の羽生結弦(24=ANA)は3度、同ルールを適用して出場。
明文化さえしておけば「特例」や「救済」と騒がれることはないのだ。

 4月の全日本選手権を惨敗して「東京五輪は夢物語」と漏らしているエース内村航平(30=リンガーハット)が、五輪前に今回のような騒動に巻き込まれる可能性も十分。
まだ決まっていない東京五輪の国内代表選考基準に、いわゆる“羽生枠”を設けるのも一手だろう。